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父 その2 [うつ_家族]

(前回の続きです)

父は退院し、家で好きなテレビを見て横になっていました
うちのテレビは映りが悪かったので
家電屋に行って液晶テレビとアンテナを購入しました
父のためです、とても喜んでいました

そのうち背中が痛いと言い出し
私が飲んでいた痛み止めの薬(ロキソニン)を飲ませました

通院中も痛いと医師に告白し、入院した方が楽なら
手続きを取りましょうと言う医師に

私だったら家がいいと思ったのですが
父は入院を希望しました

娘さんに話があるから先に待ち合わせ椅子に座ってお待ちください
と医師が言うので、私だけ残りました

医師は
お父さんはもう長くないです
お父さんに告知しますか?

私は
若い頃、胃潰瘍になった時に死ぬほど不安がっていた経験があるので
寿命云々は伝えたくないです
兄にもどうしたらいいか確認します

と言い、寿命はあとどれくらい・・・
と聞き返しました

半年から1年、重傷になるにつれ短くなると思います
と聞かされました

くれぐれも本人には話さないでほしい
と念を押してきました

兄に連絡すると
話さない方がいいだろう
もちろん母にも・・・
と言っていました

最後の入院時には
父のおトイレに母がついて行くようになりました
背中の痛みは全然取れませんでした

医師からは
全身に癌が転移しているので
覚悟してください

一回お兄さんに来てもらえませんか?
と言うので
会社から帰り途中に電話をして
面会時間ギリギリに入れました

兄はとても怒っていて話になりませんでした
延命治療はどうしますか?
と聞かれ
今までの経緯は妹から聞いていますが
延命治療はしないでほしいと兄妹で決めています
多分父もそう望んでいると思います

と医師と話し決めました

面会に行くたびに
力弱くなっている父を見るのが辛かった

ある日、父が
もう少し早く(午前中)に来てほしい
と言うので

私は
母も私もこれ以上早くは来れない
ごめんね
面会時間は午後だから
医師に許可を取らなくちゃいけないと思うよ
でも私もこれが限界だよ、ごめんね

父は
もういい!
と怒ってしまいました

気まずい雰囲気の中家に帰りました


そして翌日、朝10時に病院から電話が来て
心肺停止状態なので、できるだけ早く来てください
と連絡が来ました

母を急いで起こし、洋服を着させ
自分の準備をして病院に向かいました

病棟に入ったら
昨日までいた病室から個室に移されていて
お亡くなりになりましたと・・・
死亡時刻は・・・

母は大声で
おとうさ〜んと言って泣きました
私は心が無になりました

兄に連絡したら
家族旅行に行っているから病院に着くのは夕方になる

なぜ家族旅行なんて行っているの?
と思いましたが、何も言いませんでした

母の兄2人に連絡して来てもらい
母の相手になってもらいました

霊安室で兄が着くのをずっと待っていました

父が契約していた葬儀屋さんも呼んで
お式の話は兄に任せようと考えました

夕方、兄家族がやっと病院に着いて
葬儀屋さんに遺体を預かってもらい
(父が亡くなったのは8月中旬で暑かった)

私達は家に帰り、兄と葬儀屋さんで話し合いが行われました

母には無理なので、兄が喪主を行いました

兄のお嫁さんに
たぃちゃん、食べてないでしょ
ガリガリになっているよ
と指摘されました

確かに面会中、一日おにぎり一個で済ませていました
鏡なんかほとんど見なかったから気がつきませんでした



父は晩年、鬱病の母と躁鬱病の私を支えてくれました
私の携帯の待ち受け画面は
精神科に通った時に
2人が手を繋いでいる後ろ姿の写真にしていました

父は我が儘で、怖くて、とても優しい人でした

最後の面会の時にお父さんの希望通りに
してあげられなくてごめんね

お父さん、大好きだよ










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